へりくつ

うけいれられるあてのない
「すき」な気持ちは
なんてミテクレの悪いもんだ

運よく眼鏡を忘れていったお陰で
ぼんやりとしかみえなかったあなたを
なんとかやり過ごして
その日は帰りたかった
でも、やはり近くで見てしまった
それまでなんとか外しにかかっていた
ギヤが噛んだ

帰りの電車で
深く溜め息をついた

まったく違う日々を送っている
よく内容も確認しないままで
勝手に「すき」になりやがったもんだ
そんな「すき」は捨てるほか無いのに
その「すき」がどこからくるのか
僕は無意識のうちに確認しようとしている
くりかえし、
くりかえし。

無意味と分かっていて
用もないのに、と知っていて
頼まれもしないのに
僕の意識は、
君の存在を庇おうと働くのだ
スイッチが入るように。


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