僕はもうそのころは大学生になっていた
KBSのハイヤング京都で
そのころ好きであった
日立マクセルのCMソング「一本の音楽」をうたっている
村田和人(むらたかずひと)というパーソナリティがいて
そのひとは山下達郎のツアーバンドのコーラスなどやっている人なのだが
その名も「一本の音楽」というコーナーがあり
そこで、ディレクターつながりなのか
京都のミュージシャンの音源が流れる事もあった
(和音堂ハセヤンの当時居たマングースカンパニーの曲も流れた)
さてさて、ある日
京都の女子大生が編成する音源をこれからおとどけしますとのこと
当時はギャルバンという言葉がとってもとっても新鮮なころであって
そこでON AIRされたのは「Rainy Day」なのであった
きくとそれは洗練されてて、適度に短く耳に残る感じ
バンド名はシーガルといって
明日たくたくでライブがあるからみなさん聴きに来てくださいねー
と俺は男だ村田はいうのであった
そんなら受けてみようと思い立ち
そのときのツレ実名だが今井と田中を連れだってさっそく観に行った
おとこどもはアホウなので、こういう場合、
おれはスーちゃん、おまえはミキちゃん、やっぱりランちゃんとか、
みーとかケーとか言うのだが
案の定帰り道でどいつが好みか言ってみるのだが
それは話の順序がめちゃくちゃになるからちょっと抑えよう
ご存知のかたはご存知と思うがタクタクの扉はいまも昔も重かった
すでにライブは始まっていて
曲はEPOの「Girl In Me」かなにかだったとおもう
演奏はえらくうまかった
とくにベースのちっこいおねえちゃんは当時流行だった
「チョッパーベース」で
ありとあらゆる楽曲を演奏
みなさまでマリーンのバージョン「isn't She Lovery」なんかもこれまた
演奏していたのであるが、これまた難度の高いキメをビシバシ決めていた
オリジナルの楽曲もしっかりあって、
これが洗練されていて、それでいて甘酸っぱくて、おとなでこのなんというか、
青い僕らにはまぶしかったわけだ
ヴォーカルの子がたっぷりうたう
「Can't Stop Mylove」なんていうバラッドもあって
悲しいほど疲れた時は私の傍で眠ってよ
なんて一節もあったりするのだから、
それはなんというか顧客満足度(CS)は高かったのでございました
だれに話したかはおぼえていないのだがハイヤンきいてきましたよ
なんてちょっと恩も売って、
男三名みーとかケーとかの類いを言いながら
地球屋で飲んで帰ったような帰らなかったような
昔の話。
とりあえず僕らはそのお姉様がたのおっかけとなって
次のライブにはしっかりとバイトも休みカレンダーにもおっきくまるをして
うきうき待つことになるのであった
その後、さすがに女子大生の集合体
そんなに同じ顔ぶれで長く維持は出来なかったのか
その後大きくメンバーチェンジを経て
気がつけば、シーガルセレクションという名前にかわり
その後、「Friendshipに帆をあげて」
というシングルを1枚リリース
これは、その後SMAPの楽曲制作でがっぽり儲ける前の
小森田実の作品であったのだが、それもどうでも良い話なのだが
そのセレクションから、さらにセレクションした
「シーガルズ」というおなまえで、二枚のCDを残す事になる
単純にライブを見ていた立場だったが、
ライブを見るだけでも相当いろんな事があったから
当人たちはそれこそいろんなエピソードがあるに違いない
キーボーディストがシーケンサーに使っていた
PowerBookがトラブってライブが長時間中断したりもしてましたな
さてさて、前途の説明の通り
このバンドには「チョッパーベース」を奏でる
女性のベエシストが居りまして、
初めてそのタクタクに足を運んだときから
23年の歳月が経とうとしているのですが
この人こそが、現在のヴォイトレの先生
あべれいこさんだったりなんかしちゃったりするのである
あべさんは、その頃シーガル関係の活動と平行して
ベースはもたない状態で
ダンシングモガなる奇怪なバンドをやっておりました
これがたいそう面白くて、
シーガル関係がホンマに食べ足りないくらい
曲も愉快なもんでした
ダンシングモガってバンドは、
ギター、ベース、ドラムと女性ヴォーカル2名という編成
でも、ロケンロール?ではありません
ギターはシンセギターで、普通のエレクトリックとシンセを
別々のアンサンブルでミックスして弾く
言わば厨房で中華鍋を振るのと、舟での一本釣りを同時にやる
なんていうくらいものすごい演奏をしておりまして
ファンキーなドラム、ベースに、
ライブは、毎回芝居仕込みがあり
フロントの二人はヘッドセットのマイクで
うたったり、とんだりはねたりする
歌詞カードも毎回ついてくる
客席は毎回ものすごくドン引いてる(w
という相当ものすごいバンドだった訳です
僕はそれが面白くて面白くて、
笑点の林家木久蔵がふっとぶくらいおもろくて
たまに客席を回るあべさんに一節歌わされたりしたんですが
それがやみつきになりヴォイトレにかようようになった(うそつけ
そのうちに、ガルズも、モガもなくなり、
小規模な活動がめだつようになり、
2日分のカルシウムなんていうものめずらしい
コーラスグループもProduceしたりなんかして
ヴォイストレーナのお仕事をされたりなんかして
近頃はarmというユニットも編成されて
今に至るということになります
あべさんは、どちらかというとピンというよりは
周りと化学反応しながら歌うタイプだと僕は考えとります
前置きが長くなったのですが、
あべさんが歌っていた曲の中では
この「大きな樹の下で」が一番すき
そのシーガルセレクション時代に書かれた「天使のための雨」
これをシーガルズのファーストCDであべさんが「大きな樹の下で」
というタイトルで(歌詞を書き直して)
歌っているのである
地味だけど、いまきいてもいいなーと思うのでして
当人はどうおもっているかは分からないのですが、
この曲でのうたごえが一番良いんじゃないかしら
と思っているのであります
まちあるきしながら不意にiPodにこいつが流れましたので
長々と書きましたようなことを
いろいろとしみじみ思ってみた訳でした