サッカー少年が、目標にいずれかのプロの選手を上げるように、
ギターヒーローというと、ちょっとそぐわないのかも分からないけど、
それでも、ぜったいに外せない、という人は居て、
その中でも、なかなかお目にかかれない、
ついに京都で実物を拝める日が来たのであった。
鈴木茂、その人なのである。
しかも、この顔ぶれ。
鈴木茂の名前は、知らなくても、
ユーミンの「卒業写真」の間奏の、ゆるーいギターソロを弾いている人と言えば、
幾つかの人には説明が付くのかな、
ギターの音というのは、機械的にシミュレートし難い。
単純に、音の高低、大きさなどだけではない、
タッチと、リズム、を、パーフェクトに機械的に追いかけるのは、
あまりに相当に様々な要素が含まれているからだと思う。
人間の声に近く、たとえば「声紋」のようなものだと思っている。
どちらか言えば、超絶技巧を繰り出すタイプではなく、
ただ、歌に呼ばれて、シャープにも、ソフトにも、あたたかく包みながら、どこまでもゆく、
茂さんのギターが昔からずっと好きなのだ。
フジロックで目を釘付けにされた方も多いと聴く。
60歳超えのステージアクトは、想像以上に、アツかった。
なにより、茂さんのギターの音がデカいし、まっすぐに切り込んでくる。
もちろん、憧れの小坂忠さんもナマで始めて拝見して大満足だし、
中野督夫さんはアコースティックを拝見する事はあったけど、
完熟では、ガンガン弾いてゆく感じで、本当にスカッと気持ちがいい。
客席も、本当に年齢層が高いけど、それぞれにお気に入りのテイストのお酒を楽しみながらの、喝采の嵐。
イマドキは、ネットで動画もカンタンに見られるけど、
やっぱりライブの音圧とか、MCのちょっとした内容とか、
ナマを見なければ、どうしようにも全体像はやっぱり分からないもの、と痛感したのであった。
またなんどでも観たい。そのために、音楽家も、観客も、頑張るのである。