領収書

領収書の始末をしているところである。
眼をつむって
「えいやっ」
と処分してしまえばいいのであるが、
未練の残る私は、
ひとつひとつ入力している。
買い食いしたパンや、
単車に入れたガソリンのひとつひとつ。
棄てないで来たため、
凄まじい量だ。
処分にこまるものもあるため
ついに電動のシュレッダーも買う事にした。

日記などまともにつけない私には、
記憶を辿る唯一の手がかりだ。
たとえばこんなふう。

平成5年12月11日。
私は大阪、日本橋に居た。
中古のオーディオを、楽しく眺めていた。
そのとき愛用していた、
ソニーの3ヘッドのカセットデッキ、
定価で6万ほどの
222ESLというのが出ていた
これなんぼかなぁ、
というと、ご主人は留守で、奥さんが、
多分2万2せんえんやったかなぁ
僕はそれを聞いて
ダビングにも都合がよいと判断して
いますぐ銀行に走るから、おばちゃん
頼むで、と言ってそこを離れた
若い御仁には分からぬかも知れないが、
昔はダビングするのに、
メーカーを混ぜると、
回転が違うので妙になることが始終あった
222は気に入っていたので、
押さえたかった。

店に戻ると、ご主人が居て
「うっかり、安い値段いうてしもたみたい
これやと割があわんにゃけどなぁ、
まぁ、しょうがない」
おばちゃんは、こっそり、にっこり。
そのデッキは、いまでも残っている。
カセットは大半処分してしまった。
もう、動く事はないのかも知れない。

金は天下の回りもの。
その通り
家計簿をつけて、なにということはない。
でも、EXCELでもいいから、
数字は残しておくと良い。
これほどに、データというものが、
具体的に歴史を見せる役割をしてくれるものかと、
きっといつか、感心するはずだ。


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